先日、技術書典5で同人誌を売りました。その後、執筆した本を「PDF版はありますか?」「欲しいんですが、どこで買えますか?」と言われるようになりました。それについて色々考えていたことがまとまりました。ここでは、その話をします。色々思うところがあったので、長めです。
ひとまず、忙しい人とか全部気にならない人のための目次です。基本的に長いので、飛ばして読んでください。
記事の概要
この記事は誰向けの記事か
この記事は、以下のような人に向けて書いてます。
- 技術書典5で僕のブースに来たけど買えなかった人
- 技術書典5では僕のブースに行けなかったけど、気にしてくれてる人
- 技術書典5には来てないけど、なんとなく気にしてくれてる人
- なんとなくPDF版はまだかなーと思ってくれてる人
- その他、同人誌のPDF配信について考えたり気になったりしてる人
この記事を読んでわかること
この記事を読むと以下のようなことがわかります。
- 僕はPDF配信についてどう考えてるか。
- 結局、PDF配信はどうするのか。
- どんな感じで言語化できてなかった考えを整理したか。
- で、今後どうするの?
なぜ、この記事を書いたか
まず、なんでこの記事を書いたのか、という話をします。
PDF配信や再販希望を聞いていたので
PDF配信や再販希望を聞いていたので、検討結果の報告として書いてます。
なんども書いてますが、技術書典5で「IT実務のアンチパターン プロジェクト計画編」という本を販売したのですが、早々に売り切れました。
そして『PDF版はありませんか?』『欲しいんですが、再販の予定はありますか?』などの話を聞いてました。当日、イベントに来れなかった人から同様の話をいただくことがありました。
技術書典5当日は、「PDF版を出すのは、なんとなく気が進まないから用意しない」という感覚があって紙の本のみを販売してました。
とはいえ、せっかく興味を持ってくれているので、前向きに検討したいと思い、『PDF配信する方向で前向きに検討します。ツイッターやconnpassのグループで今後の情報を流しますので、よければフォローお願いします。』などと答えてました。だから、今後の方針とか動きがあれば、何かしらの情報を出したいと思ってました。
僕が逆の立場なら理由が気になるので
僕が「自分が気になってる同人誌や活動があって、そのうちPDF配信するのを前向きに検討してる」と聞いたとしたら、PDF配信するにしてもしないにしても、結局どうなったのか、なぜそうなったのかの理由が気になると思います。だから書きました。
そこら辺の理由を雑にしながら、「やっぱ気が向かないのでやめます」という話にされたら、「この人は気まぐれな人なんだなあ」と僕は思いますし、自分の場合はそう思われたくないな、と思います。
まあそんなこんながあって、とりあえず自分としては理由とか考えたことをきちんと整理しておきたい気持ちがあったので、まあ自己満足ということでもいいか、と思いつつ書いてます。
検討と現時点の結論
で、検討した話と現時点の結論について書きます。
PDF配信を前向きに進めてわかったこと
技術書典5が終わってから(というか技術書典5の当日に完売してから)、PDF版の配信について考えてつつ、準備を進めました。
もともと僕は、なんとなくPDF版を出したくないなと思っていました。理由は言語化できなかったのですが、ひとまず考えながら準備を進めました。
とりあえずPDF版を出す準備をしながら、「なんで出したくないんだろうなー。」「わからないことがあるから気が進まないとかなのかな」とか考えてました。
で準備は進み、あと数クリックしたらPDF版が出せそうなところまで準備ができました。それでも自分はPDF版を出したいと思わなかったので、「ああ、これは手順がめんどくさいとか、調べるのがめんどくさいとかの理由で出したくない。と思ってたんじゃなかったんだな」とわかりました。
どうするかを相談させてもらった
それからは、他にどんな理由があるか、どんな風になれば出したいだろうか、を考えてました。
そんな中で昨日、もくもく執筆会に途中参加し、主催の熊谷さんや湊川さんに相談させてもらいました。というか、『PDF配信するかを悩んでいて、今日はその考えをまとめたい』という話をしてたら、相談にのっていただけました。
お二人とも、同人誌の執筆経験が豊富かつ、様々な執筆者の話をご存知の方なので、色々いい話を聞くことができました。すごく参考になりました。
ひとまずboothにPDF版は出さないことにします
で、相談しながら考えた結果、今のところ、boothにPDF版をおいて配信しない。という結論になりました。
これは、今のところという話で、半年後とか一年後は変わってるかもしれません。
ですが、ひとまず希望が一番多かったboothでPDFを配信しないことに決めました。今のところ。
結論の理由
で、なんでPDF配信をしないの?って理由を書きます。
入手ハードル下がりすぎに抵抗があるから
まず、boothでPDFを配信すると入手するハードルがすごく下がると思います。
SNSアカウントでログインして、クレジットカード登録して、数回片手で使えるクリックしたら買えます。
でもここまでハードルを下げるのが今のところ抵抗あると思っていて、それがPDF配信しない一番の理由です。
入手ハードルが下がると雑コメントが増えるから
入手ハードルが下がると雑に入手する人が増え、雑にコメントする人が増えると思ってます。別にその人がどうと言う話をしたいのではなく、そう言うものだと思ってます。
ちなみにここで言う雑なコメントと言うのは、読み間違ってるのに自信満々で間違いを指摘するとか、深く考えずによくわからないと言うとか、そう言うやつです。
実際、僕は学生時代に音楽制作をしてましたが、当時ニコニコ動画に投稿して、雑なコメントをもらったし、自分もしてたと思います。と言うか入手ハードルが低すぎる時は今でも気がついたらやってると思います。
そんな風になるのは、コメントする人が作ってる人のことを考えてコメントしなかったからだし、入手ハードルが低すぎて作り手の大切さに気づけなかったからだと思ってます。
今のところ僕の場合は、雑なコメントが増えるのは嫌だと思ってます。
雑なコメントも真面目に考えちゃうから
僕は自分で他の人のコメントを真面目に考えすぎるところがあると思ってます。要はスルースキルが低めなんですよね。
それは、自分の作ってるものを自分で客観的に見るのは難しいと思ってたり、可能な限りアドバイスを取り入れたいと思ってたり、重要な意見は雑なコメントに混ざると思ってたり、という理由があります。
気にすんなと言われても無視できないのでしょうがないなと思ってます。とは言え、今のところ、雑なコメントは少ない方が心穏やかなのでそっちの方が良いな、と思ってます。だから、今、雑なコメントが増えるのは個人的に望ましくないと思ってます。
そもそもたくさんの人に渡すのが目的ではなかった
そもそもの話なのですが、よく考えてみたら僕が同人誌を書こうと思った背景には、自分の経験と考えを整理したい、その時に自分が考えていたことのダンプをとりたい、などの想いがありました。
そして、今後も定期的に考えや経験を整理したいと思っています。その目的を考えると、雑なコメントが増えて、自分が消耗するのは避けたいです。
言語化が難しかった理由と言語化できた理由
PDF配信どうするか。を言語化してみると、たいした事ない気がするんですが、自分としては言語化するのが難しかったと思ってます。と言うわけで、なぜ難しかったのかの話も簡単に書きます。
なぜかPDF配信が当たり前だと思ってた
はい。僕はPDF配信をするのが当然のことだと思ってました。いつの間にか。
技術書典でワイワイするのに、ツイッターで技術書典タグを頻繁に眺めてたり、技術書典に関係する人をフォローしたりしてたのが関係あります。
これも言われてみたら、当たり前ですが、たくさん売りたい人はたくさん呟くんですよね。それにPDF配信してる人は、その事を技術書典タグで呟くんですが、配信しない人は呟かないんですよね。
だから、ツイッター見てたら、PDF出すのが普通でやらないならやらない理由が必要とか思ってました。
もくもく執筆会で相談して感覚ズレに気づく
もくもく執筆会で相談させてもらうと、そもそもPDF配信が普通というわけじゃなくて、いろんな人がいることがわかりました。
例えば、以下のような話を書きました。
- 紙の本が好きじゃないからPDF版だけ売る人もいる。
- 紙は印刷代がかかるから。とPDFの方が安くする人もいる。
- 紙の本を買うと自動的にPDF版がDLできるようにする人もいる。
- 紙の本を売ってるけど、githubに全部無料公開してる人もいる。
- 紙を大切にしたいから、PDF版の方が高くする人もいる。
- 当日の熱を大切にしたいから、イベント会場でのみ売ってる人もいる。
- マスを狙う人もいれば、ニッチを狙う人もいる。
- 商業化したい人もいれば、同人誌でやり続けたい人もいる。
どうなればいい、と言うのは人によって違うんだという話や普通なんてなくて全部理由があるんだ、という当たり前のことに改めて気付きました。
自分の信念や大切にしてることを考える
相談させてもらった中で、印象に残った話を簡単に書きます。
- みんなそれぞれ、自分の考えとか信念がある
- 迷ったら自分の信念が何なのか、自分が大切にしたいことは何なのか、から考えるといいよ
- カバーできない部分は別の方法を考えることができる
この話を聞いて、『あー、僕はひとまず執筆を継続するのが大切にしたいことだな、』と気づきました。あとは考えていたことが、パズル的なハマって考えがまとまりました。
とりあえず今後について
とりあえず今後はどう考えてるかについて書きます。
欲しい人には売りたい
とりあえず欲しいと言ってくれてる人には売りたいと思ってます。
そもそも興味を持ってくれてる人は手に入るようにしたいので。あと、直接欲しいと言ってくれる人が雑なコメントする可能性低いと思いますし、仮にあったとしてもあの人かな。というのがなんとなくわかると、あんまり消耗しないので。
技術書典6に持っていきます
まず、技術書典6に出ることができるなら、追加で刷っていく予定です。
まあ、まだ出れるのかわからないんですが気持ちとして。
手売りを開始します
とりあえず手売りしようかなと思ってます。
欲しいと言ってくれて、僕と会う機会があれば持っていきます。1冊1000円です。
ひとまず、手元に3冊くらい売れるのはあります。そのうちイベントがあったりしたら持って行こうと思っていたものです。あと、そのうち二刷を作ろうと思ってます。部数は検討中。
PDF版も手売りしようと思います。値段は同じです。
交流会とか開きたい
あと、せっかくconnpassでグループを作っていて参加してくれてる人もいるのでイベントを主催して、手売りしたり話したりできると良いな、と思ってます。
ただ、遠方の人もいる気がするし、どれだけ需要あるか不明だし、とりあえず集まりましょう、みたいな会は面白くないと思ってます。
今のところ、どんな会にすると良いのか不明なので、もう少し検討しようかなと思ってます。良いアイデアがあれば教えてもらえるとありがたいです。
おわり
ひとまず現時点の状況とか方針について書きました。
とりあえず長々とした話でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。