アジャイルな見積もりと計画づくりを読んでいる。
アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
- 作者: Mike Cohn,マイクコーン,安井力,角谷信太郎
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2009/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今回は、第4章を読んだ。
第4章は、「ストーリーポイントによる規模の見積もり」について書いていた。
ざっくりと説明すると、開発する単位をストーリーという単位に分けて、それに対して規模を表すポイントをつけ、イテレーションでチームが消化するポイント(ベロシティと呼ぶ)を元に、スケジュールを導出する見積もりの方法の話が書いてあった。
例えば、
- ストーリーAは3ポイント
- ストーリーBは8ポイント
- ストーリーCは6ポイント
みたいな感じでポイントをつける。そして、すべてのストーリーのポイントを合計する。合計ポイントが100ポイントの状況で、チームのベロシティが5なら20イテレーションかかる。というふうに考える。
本のどこに書いてあったか忘れたけど、一回のイテレーションは、期間で区切られていて、一回の期間は、一週間とか二週間とか何だと思う。
この本の中でも書いていたけど、アジャイルな見積もりの特徴は、「規模を見積もって、期間を導出すること」らしい。
僕はこういう〇〇技法を聞くと、とりあえず試しながら考えてみたくなる。
ソフトウェア開発の話なのにソフトウェアでなく、音楽制作に転用してみるとか、個人的な用事に転用してみるとか、とりあえずやることがいくつかあって、スケジュールを見積もりたいと思ったらこの方法を使ってスケジュールをイメージしてみる。
じゃあ色々気になることが見えてきたりした。
まず、この見積もりの技法は、プロジェクトに複数のメンバーが専任になってない限り、効果が半減すると思う。
なぜかというと、この見積もり技法では、チームの過去のベロシティによって未来のベロシティの予測精度が高くなるから、見積もりの精度が上がっていく、という前提がある。
なのに、プロジェクトに複数のメンバーがいて、それぞれのメンバーが専任ではない限り、ベロシティが変化していく。
ベロシティが変化していくと、スケジュール見積もりの精度が上がらない。
それでも、ストーリーポイントを使った相対的な作業量見積もりは、生きると思うので、意味はあると思う。
あと、メンバーがある程度、専任というか固定で進める何かの場合、ベロシティは、そんなに上がらないけど下がりもしないように見えていて、すごい効果がありそう、というか、予測精度が上がっていきそうな感じがある。
それから、個人的に長い目で見てやっていた音楽制作にこの話を当てはめて見たら、一つ一つのイテレーション単位が長い割に、ベロシティが低い、という見積もりになってしまった。
なんていうか、本気出したら、ベロシティが数倍に上がるような状況になってしまって、この見積もりってなんか意味あるのかな、みたいな感じになった。