matobaの備忘録

和歌山と東京を往復しつつ活動するエンジニアの記録

大学院で技術経営を学び、会計への理解が進んだ

先日、大学院で技術経営を学んで良かったこと、の話をしました。

blog.mtb-production.info

そういえば、進学前に会計などお金に関する知識も身につけたいと思っていて、それも理解が進んだと思ってます。 その話を書いておきます。

会計の色んな概念がわかった

今までも会計の基礎的な部分は独学していて、ぼんやりと知ってるつもりでした。 ただ、実際に大学院に通いつつ、実務でやってる人や経営者から話を聞いてると、独学で学ぶ時の理解とは全然違う理解になりました。 他の分野でも、独学した後に、実際に使ってる人に聞くと一気に理解の深まりますが、あれです。

ソフトウェア開発に例えるなら、1人でプログラミングを独学してた時の理解と、実務でプログラミングしてからの理解くらい違います。 解像度が違うというか、一つ一つの概念に対する見方が違うというか。 独学してる時は「ふーん」くらいしか思わないんですが、実際にそれを使って考えたり話すことになると、思考が一気に深まります。

「用語を知ってる」のレベルから、「その概念を使って考えられる」「その概念の影響範囲が想像できる」「その概念に基づく主張ができる」みたいなところに段々と発展していきました。同期に製造業なり技術系企業で働く会計系の方や金融系の方がいて、いろいろお話を聞けたのもよかったです。ここで言う用語は、例えば、財務三表やそれにまつわる用語もそうですし、投資に関する用語もあります。あとは管理会計に関する言葉などもあります。

会計用語で考えられるようになった

会計用語で考えられるようになった、の話をもう少しします。当たり前ですが、会計はお金に関する話です。会計の用語がわかると、これがビジネスとして成り立っているのか、成り立つためにはどういう構造が必要なんだろうか、という話が検討しやすくなります。

例えば、「粗利がこれだけあって、販管費がこうなっていて、云々」とか「EBITDAがこうなっているが、減価償却がこれだけあって、云々」とかそういうことがわかるようになりました。あと、会計といっても色々な考え方があるということを知れたのも大きいです。

ソフトウェア開発的に言えば、「ある考え方の会計がわかるようになった」というのは、「ある一つのフレームワークを覚えた」という話に近いと思ってます。フレームワークは何らかの状況で、あるカテゴリの目的を達成するために作られた枠組みです。今のところ会計も同じように見えてますし、会計でもフレームワークがいくつかあるように見えてます。

Webフレームワークを使っていて、MVCのフレームワークであれば、Model - View - Controllerのどこに何が書いてあるかが、だいたい想像つくし、状況に応じてそれを見に行きますよね。あれと似たような感じで、例えば財務三表なら、PL - BS - CF ですが、それぞれ何が書いてあって、「この状況ならこれのここを見にいけば、詳細がわかる」みたいな感覚になります。状況把握が早い。

で複雑な状況を素早く把握して、素早く次の方針を組み立てられるのがプロであり、専門家なんだろうな、などと思っています。 とは言え、できるだけシンプルな構造にしておけば、そんなことを考える必要もなくて、複雑な組織やビジネスの構造を作ると、それを俯瞰して素早く状況を把握するための、様々な会計フレームワークが必要になっている、というイメージになってきました。

そういう意味で言えば、「一応、大学院で見聞きして概念としては知っているが、私には必要がない」という概念が何となくわかるようになったのも良いですね。漠然と「会計素人だけど大丈夫だろうか...」「知らない用語がありすぎる...」みたいな不安に圧倒されるのは減ってる気がします。

誰もが会計用語に詳しいわけではない

社会人の大学院なので、同期の皆さん、みなさん実務経験があるわけです。むしろ、私より社会人の経験が長い方もたくさんいます。 ただ、様々な方とお話している中で感じるのは、当然ながら実務で経験があるとすごく詳しいですし、経験がないとそうではありません。 異業種異年齢の方と一緒に学ぶ中で、どんな職種の方が会計に強いとか、どんな数字を見てるとか、そういうことにぼんやりと触れることができました。

これは通ってない人との会話でも役に立つように思っています。 普通は、専門外のことは知らないと思いますが、このような場所に通わなければ、自分の専門以外の専門家が何を知ってるのかも知らなかったと思いました。

こういう話を理解できたのは良かったと思っています。

終わり

大学院の話について、たまに関心を持って聞かれるので、書いておきました。 本日の現場からは以上です。