最近、技術経営を大学院で学んでよかったな、と思う体験がいくつかあったので書いておこうと思います。
聞いたことのある概念が増えた
まず、一つ目の話として、明らかに聞いたことのある概念が増えたというのは思っています。 仕事柄、製品開発や経営に関与する人お話をする機会がありますが、そういう方々と話をしている際に、ただ単にITのエンジニアとして仕事をしていたり、その関係から調べ物をして知ることができる範囲とは異なる範囲の概念を理解していると思ってます。
大学院によっても違うのでしょうが、私の通っている大学院の場合は、最初の半年で知識をたくさん頭に入れます。すでに半年が経過したのでそれの影響はあるんだろうな、と思っております。
少し聞いて他の理解が進む
次に、1を聞いて10くらいの物事の理解が進むようになったような気がします。あ、経営とかビジネスに関する話です。ITエンジニアとしてだけ仕事をしている場合は、組織全体とか会社全体とか経営そのものの構成要素が分かってなくて、その間をどんな情報が流れていて、そこにどういう制約があるかセオリーがあるか、という話をわかってませんでした。聞いたことがあったかもしれませんが、情報が断片的でした。
そんな情報が、大学院の学びの中で構造化されていくことで、一つのエピソードを聞くだけで、聞いてない領域に関しても事業状況や雰囲気の想像がつくようになってきました。また、理由を説明してもらわなくても、セオリーに従っているだけであることが予想できたりもしました。
というか、大抵の場合、セオリーやトレンドを意識した意思決定をしますので、過去のセオリーやトレンドを理解しておくと、それがどういう背景に基づくのかわかると思いますし、逆にセオリーやトレンドに乗る意思決定をどんなタイミングでやったのかに関する情報で価値観や性格すら浮き彫りになる気がしてます。
相手の「話してみよう」のハードルが下がった様子
ある意思決定があって、セオリーやトレンドに乗ったとしても、時代の変化とともにそれらの課題や特徴、対策が出てきますよね。そういうのも見えるようになったような気がしてます。
「そういう場合、こういうことが起きて、こういうことが起きるケースを知っている」みたいな話の引き出しがかなり増えました。そういう話をすると相手は「そういえば、こないだそういうことがあった。それは云々カンヌン」という話がしやすかったりするようです。
経営をしている人は、たいてい周囲の人よりたくさんの情報を持っているので、その情報を全て丁寧に説明しようとするとキリがない状態になっています。なので、目の前の人にどんな情報をどの粒度で話すべきかを考えて活動しているわけです。その状態で私が事例やパターンを提示すると「ああ、そこまでは伝わるタイプの人なのか」と思ってもらえるのか、情報がどんどん出てきたりします。そもそも、経営をしている人は、自分が抱えている問題を相談できるなら相談したいと思っている人が多いように思います。「相談できる人です」という状態を作りやすくなったのだろうと思ってます。
なるほど。
こんな状況を見ながら、大学院に通ってよかったな、という気持ちにはなっています。 まだ大学院活動は続きますが、現場からは以上です。