matobaの備忘録

和歌山と東京を往復しつつ活動するエンジニアの記録

小さなチームのソフトウェアエンジニアの哲学に触れる本の話

こんばんは。自宅の本棚にある本でおすすめのものを紹介していく活動を進めてます。 今回は、「小さなチーム、大きな仕事」と言う本を紹介します。昨日の記事で出てきた「潔い」というキーワードから思い出した本です。

どの本の話?

この本です。

Ruby on Railsの開発元である37シグナルズのチームやビジネスに対する考え方を説明した本です。

購入のきっかけ

購入したのは3年ほど前で、誰かが紹介してくれていたのだと思います。 Ruby on Railsは有名ですし、そのRailsを開発したチームの考え方に興味があったのは覚えています。

私は、大きな組織に疲れていて、小さなチームでの活動に興味を持っていました。 ただ、小さなチームでの強烈な成功体験があるわけでもなかったので、成功している小さなチームの考え方を知りたかったんだと思います。

どんな本?

強烈な本ですね。著者の判断基準がものすごく明確です。 多くの人が正しいと考えていることや、なかなか疑われることがない考えに対して、「馬鹿げている」「割に合わない」などと切り捨てていきます。 強いエンジニアが書いているのがはっきりわかります。

一つ一つの話をどう受け止めるかは、読み手次第だと思うのですが、強いエンジニアの思想に触れることができるのは確実です。

印象的な内容

身軽さが重要。削ぎ落とすことを繰り返す

この本の中では、身軽さや削ぎ落とす話が多数出てきます。 身軽さが小さなチームの強みで、その強みを維持していくためには、色んなものを削ぎ落とす。 削ぎ落とすことを繰り返して、本当に大切なものだけを残していく。

この本は何度も読み返していますが、改めて今読むと「自分はまだまだ削ぎ落とせることがありそうだなあ」と思ったりします。 無駄が多い。

副産物を売る

副産物を売る、というのは何かを作るときに、同時に生まれたものを売るという話です。 何かを作る過程で、作ろうとしていないものの、できてしまうものに価値がある話が説明されています。

何の活動でも目的としたもの以外に副産物が出来上がることは往々にしてあります。 この記事も自分の好奇心を満たすの活動の副産物を記事に書いている状況になっていますが、その副産物を活かしたい気持ちがあったりします。

基本的に「ノー」と言おう

ただ単に「ノー」というわけではなくて 基本的に なのですが、このような話が本に書いてあります。 この言葉は印象的だと思いました。

と言うのも、大抵の場合「ノー」ということをお勧めするような本や教えはなくて、「まずはやってみよう」「まずはYESと言おう」みたいな思想が多いように思います。

「なぜ、基本的にノート言うのか」という部分は、書籍を読んでもらうのがいいと思います。

本の面白いところ

この本にはたくさん面白いところがありますが、3つに絞って紹介します。

力強い主張とそれに対するフォロー

この本では、たくさんの力強い主張が展開されます。 ただ、その主張には、きちんと理由があります。 理由のない強い主張は、傲慢なだけですが、理由のある強い主張は信頼感を生むと思うんですよね。

これは、この本の面白いところ、というか好きなところの一つです。

拡大よりコントロールを優先する

この本の中では、チームを拡大するよりもコントロール可能であることを優先する判断がたくさん出てきます。 不必要に大きいと、コントロールができなくて諸々辛いと感じたことがあります。 コントロールを優先するのは、すごく共感できるし、僕は好きです。 というか、もともと、コントロールできることを増やすためにプログラミングを始めたはず、というのも思い出せたりします。

ビジネスの色んな観点について話している

この本の面白い点の最後は、この本がビジネスの様々な観点について話しているということです。 ソフトウェアエンジニアが書いた本は基本的にソフトウェア開発の本が多いですが、その他の分野についてどう考えているかを知れるのはすごく面白いですね。

ソフトウェアエンジニアは、主張とその背後にある根拠を整理するのがある種仕事であるような部分があるので、どんな分野についてでも理路整然とした説明が聞けます。それがすごく面白い。

まとめ

今回は、「小さなチーム、大きな仕事」という本を紹介しました。 この本は、あるソフトウェアエンジニアのビジネス哲学に触れられる本だと思います。 私も、この記事を書くために久しぶりにこの本を読みましたが、刺激が強い本だと改めて思いました。

気になった方は、読んでみてください。ではでは。